【資料】集団思考

集団思考とは、少人数で同質性の高い集団が合議をする際に見られる心理現象の一つである。

語感は「赤信号みんなで渡れば怖くない」で知られる「集団心理」に類似しているものの、概念としては別物である。集団思考は集団合議の際に見られる特有の現象を指す。

現象

たとえば大変仲のいい人たちで構成される集団があるとする。彼らは精神的に大人であり、譲り合いの精神も持ちあわせている。その集団が「とある重大な意思決定」をしなければならくなったと仮定しよう。彼らは団結力も強く、集団のとるべき決定を真剣に話し合う。ところが、みんなで話し合った結果が必ずしも合理的で最善な策とはならない。

この「みんなで話し合ったら間違ってしまう」現象は、アメリカの心理学者アーヴィング・ジャニス(Irving Janis)によって社会現象の分析に適用された。

実例と発生メカニズム

真珠湾攻撃直前、ハワイ駐留の米軍司令官キンメル(Husband Kimmel)は、本国から日本軍のハワイ攻撃の可能性を警告されていた。ところが幕僚らと対応を話し合うと「そんなことはないだろう」という結論になり、最後まで警戒を怠ってしまった。集団の団結心は、自集団への批判を封印し、自集団の優越感、無敵感を作り上げていく。

そうした結果、集団の批判的検証能力、判断力を鈍らせることになり、リスクの高い決定(リスキー・シフト)をしたり、過激な方向に走ったりする(集団極性化)。

対策

もちろんこうした現象がすべての集団に見られるわけではない。たとえば、

といった対策が提示されている。

ネット上のカスケード現象

ネット社会では同じ志向を持つ人々が容易に集団を構成しやすいため、集団思考現象、特に集団極性化現象が生じやすい。ネット上で生じる集団極性化現象はサイバーカスケードと呼ばれる。

参考文献:ニコニコ大百科